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アップルコンピュータ、Tigerの新機能をデモ――過去最高の四半期決算でジョブズも「絶好調」

Printable Version 2005年04月14日

アップルコンピュータ(株)は14日、29日に発売を予定している次世代OS『Mac OS X バージョン 10.4“Tiger”』(以下Tiger)の機能説明会を開催した。同日発表された決算発表では『iPod』が牽引し、過去最高の業績となった。同社代表取締役兼米アップルコンピュータ社マーケティング担当バイスプレジデントの前刀禎明氏は「アップルもジョブズも絶好調」と誇らしげに語った。

前刀禎明氏
Tigerを紹介するアップルコンピュータ(株)代表取締役兼米アップルコンピュータ社マーケティング担当バイスプレジデントの前刀禎明氏。米アップルコンピュータが過去最高の四半期の決算を迎えたことも報告した
お詫びと訂正:掲載時に前刀禎明氏の肩書が「代表取締役社長」となっておりました。お詫びして訂正いたします。(2005年4月15日)

Tigerは、64bitアプリケーションにネイティブ対応したほか、検索技術の“Spotlight”(スポットライト)や、必要なときに手軽に取り出せ収納できるデスクトップアクセサリー“Dashboard”(ダッシュボード)といった新機能を追加している。その概要はすでに今年1月に米国サンフランシスコで開催されたMacworld Expo 2005などで紹介されているが、“日本語版”のデモはおそらく初めて。デモでは日本語も問題なく表示されていた。

東京大学名誉教授の月尾嘉男氏
アートディレクターの佐藤司士和氏
ノンフィクション作家の山根一眞氏
ミュージシャンのGackt氏
Tiger発売に寄せられた各界著名人からのコメント

Spotlight−−デスクトップ検索に革命

Tigerで追加される一連の機能のうち、最も注目したいのが、デスクトップ検索機能のSpotlightである。これは従来の“ファイル名”や“テキストファイル内の全文検索”だけでなく、ID3タグやExif情報といったファイルのメタデータを検索対象に含められる点が特徴。同種の機能は、マイクロソフト社が現在開発中のファイルシステム“WinFS”にも搭載される予定だが、提供時期はTigerよりずっと後になる見込みだ。



Spotlightの機能はデスクトップ右上のアイコンから呼び出す

Spotlightの利点としては、画像の撮影条件や曲情報など、ファイルのメタデータを検索対象に含められる点に加えて、Office文書やPDFファイルといった対応ファイル形式の豊富さ、プラグインでサードパーティーが自社の形式を検索対象に追加できる点、ファイルシステムに変更が加わった際に即座にインデックスが書き換えられる点などが挙げられる。検索対象は基本的にローカルハードディスク上のファイルとなる。外付けハードディスクのファイルは検索対象に含まれるが、ネットワーク上の共有フォルダーなどは対象外となる。



Finderに追加されたスマートフォルダは、階層構造で管理する従来の考え方を一新する画期的な機能である

Spotlightの応用例として非常に便利なのが、『Finder』に追加された“スマートフォルダ”と『Mail』に追加された“スマートアドレスブック”である。これらはSpotlightの検索結果でヒットしたファイルの一覧をフォルダーに登録し、好きなときに呼び出せる機能。すごいところは、単に検索した結果を登録できるのではなく、Macintoshを使っていく中で更新・追加・削除されたファイル(アドレス)の情報もリアルタイムに適用されていく点だ。たとえば、“アスキー”というスマートフォルダを作成しておき、あとから“アスキー”という内容を含んだ文書などを保存すると、特にユーザーが指定しなくても自動的にスマートフォルダ内にその文書の情報が追加され、ゴミ箱に捨てると削除される。

ファイル管理の手法としてはフォルダーを階層分けして見つけやすくするのが一般的だが、製品のデモを担当したアップルコンピュータプロダクトマーケティングの桜庭浩氏は「(フォルダの)整理整頓が目的になっていないか? フォルダ分けする本来の目的は検索をしやすくすること」だと言う。ファイルを検索キーで簡単にまとめられるスマートフォルダは“ファイル管理の考え方を根本から変えるもの”となる可能性がある。



Dashboard――作業を中断せず利用できるデスクアクセサリー

Dashboardは“ウィジェット”と呼ばれるデスクアクセサリをデスクトップ上で簡単に呼び出せるようにする機能。ウィジェットはHTML、CSS、JavaScriptといったウェブページの標準技術で作成することが可能で、Tigerには計算機や時計、スティッキーズ(付箋紙)、iTunesコントローラなどが標準で用意されている。Mac OS v10.3“Panther”で搭載されているExpose'のようにファンクションキーを押すことで現在起動しているウィジットが一覧表示(もう一度押すと収納)され、マウスやカーソルで選択できる。通常作業で使用しているウィンドウの配置などは維持されるので、作業中にふと計算やメモを書きたくなった、という際に便利な機能だ。



Dashboardの画面

強化されたMailとSafari

新バージョンのメールソフト『Mail 2.0』には、上述の“スマートアドレスブック”の機能が追加されているが、これ以外にも親が子供に見せたくないメールを管理できる“ペアレンタルコントロール”の機能や、HTMLメールの作成機能、送信するメールサイズの上限値の設定などが追加された。

ペアレンタルコントロールは、子供のアカウントでアクセスできるウェブサイトをあらかじめ決めておく機能のほか、知らない人からのメールが来た際に一度親のアカウントで受信し、許可するものだけを子供のアカウントに転送する機能が用意されている。転送の一連の作業は子供に気付かれず行なうことが可能だという。

ウェブブラウザの『Safari』はRSSに対応したほか、ウェブページの訪問履歴やCookie情報を残さない“プライベートブラウズ”、ウィンドウ内でのPDFの表示、ウェブページのアーカイブ機能、Safariから外部のアプリケーションを呼び出す“LiveConnect”の機能などが追加された。

AppleScriptより簡単なAutomator

ビルトインのアクションをドラッグ&ドロップするだけで、簡単に定型の動作を実現できるAutomator

アプリケーションの自動化に関してはこれまでAppleScriptが用意されていたが、Tigerではより簡単に目的の動作を実現できる“Automator”と呼ばれる機能が追加された。

Automatorは、アップルコンピュータ製のアプリケーションにあらかじめ用意されたビルトインのアクションをつなぎ合わせることで、定型動作を行なえるもの。たとえば、ウェブページ上にリンクされた画像をダウンロードし、iPhotoの画像フォルダーに保存するしていくといったことを、プログラミングやスクリプトを書かずに実現することが可能だ。



64bit化を始めとして、内部にもさまざまな変更

64bit対応となり、64bitアプリケーションへのネイティブ対応や最大16EB(エクサバイト)のメモリーの利用が可能となったTigerだが、カーネルがFreeBSD 5.xベースに進化し、マルチスレッド対応になるなど、内部にもさまざまな変更が加えられている。開発環境のXcodeもバージョン2.0にアップグレードした。また、アプリケーションの開発フレームワークとしては、これまでグラフィックスアプリケーション用の“Core Image”が用意されてきたが、Tigerではオーディオ用の“Core Audio”、動画用の“Core Video”、データベース用の“Core Data”などが新たに追加されている。また、Windows XPなどと互換性のある“ACL(Active Control Lists:アクセス制御リスト)”を導入。個々のユーザーだけでなく、グループ単位で情報リソースへの異なるアクセス権を設定できるようになった。

Windowsとの相互運用性に関しては、SMB(Windowsファイル共有)のパフォーマンスが向上したほか、テキストエディットでのWord表組み機能のサポート、Mail 2.0でHTMLメールの作成が可能になった点などが挙げられる。また、アプリケーションに関してもH.264に対応した「QuickTime 7」の標準搭載など、アップデートが行なわれている。200種類を超えるという新機能のすべてをここで紹介するのは不可能だが、非常に豊富な機能が追加されたOSと言えるだろう。

(編集部 小林久)





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