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アナリストが語る2005年アップル成長のワケ――大ヒット商品“Mac mini”が新規ユーザーを獲得

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市場調査会社のIDC Japan(株)(インターナショナルデーターコーポレイションジャパン)は14日、2005年の国内PC市場実績について発表した。 2005年のパソコン出荷台数は1461万台となり、前年より9.1%増加。メーカー別の出荷台数では、アップルコンピュータ(株)は国内9位、2.5%のシェアを獲得した。

IDC Japanによれば国内のパソコン市場では、上位5社のうち4社が前年比で10%以上の成長を記録しシェアも伸ばしたという。アップルは出荷台数で見ると9位だが、前年比24.7%増という上位10社中でもっとも高い成長を遂げている。上位5位、およびアップルのデータ詳細は以下のとおり。

2005年 国内パソコン市場のメーカー別出荷台数(出典:IDC Japan 3/2006)
順位 メーカー 出荷台数 シェア 前年成長率
1 日本電気(株) 300万9000台 20.6% 11.2%
2 富士通(株) 260万9000台 17.9% 1.1%
3 デル(株) 180万2000台 12.3% 19.6%
4 (株)東芝 132万4000台 9.1% 18.3%
5 日本ヒューレット・パッカード(株) 97万7000台 6.7% 17.1%
9 アップルコンピュータ(株) 36万1000台 2.5% 24.7%


2005年アップルが大きく成長できたその理由はどこにあるのだろうか? IDC Japanのパーソナル・コンピューティング&デジタル・イメージング シニアマーケットアナリストの新行内久美(しんぎょううちくみ)氏に話をうかがった。


[編集部] アップルの出荷台数が伸びたいちばんの原因は?

[新行内氏]

実はアップルが2004年に“不況”だったという点が挙げられます。2004年は8月末にiMac G5が発表され、PowerPC G4を搭載したiMacが販売終了になるという、エントリーデスクトップのラインアップの入れ替えが行なわれました。

しかしアップルはモデルチェンジのためiMac G4の在庫を絞っており、5〜9月の期間において売れ筋のエントリーデスクトップ機の在庫が市場で少なくなっています。この在庫不足が原因で2004年は出荷台数が減り、その反動で2005年は大きくプラス成長に転じたと分析されます。

2004年第1四半期〜2005年第4四半期におけるアップルの国内出荷台数(出典:IDC Japan 3/2006)。左が四半期ごとの推移、右が1年を合計したグラフになる

[編集部] プレスリリースではMac miniのヒットも成長の原因に挙げられていますが、どのくらいの数が出たのでしょうか?

[新行内氏]

2005年1月末に発売されたMac miniは、第1四半期(1〜3月)においてMacのラインアップ中、最も売れています。第2四半期(4〜6月)は第1四半期でかなり数が出た反動でやや出荷台数を落としていますが、第3/第4四半期(7〜12月)ではコンスタントに売れるように戻りました。

Mac miniは、iMacやPowerMacなどとユーザー層が重なったわけではなく、“2台目のパソコン”として新規ユーザーを取り込みました。つまり、他のラインアップの出荷台数を落とすことなく、純粋にMac miniのぶんが上乗せされたことになります。


[編集部] Macの出荷台数を増やすためには、どのような対策が考えられますか?

[新行内氏]

パソコンを購入する際、初心者の方の多くは“まわりの人が使っているから”という理由でWindows PCを選んでいます。このように他人にすぐに聞けるという環境を作ることが、“Macを選ばない”という障壁のひとつを取り除くことになるでしょう。

アップルは、米国ではリテールのアップルストアを各地に点在させて、国内のどの場所に住んでいてもすぐにMacを試しに行ったり、問題が発生したら相談できるいう状態を目指しています。

しかし、日本でこれを実現するのはコストなどの理由で難しいはずです。現在アップルが行なっている、製品の使い方をきちんと説明できるアップルのスタッフを各販売店のMacコーナーに配置するという手法は妥当だと思います。

日本の販売店は現在、成長している企業とそうでない企業の差が大きくなってきています。その販売店の中でも、(株)ヤマダ電機や(株)コジマのように郊外に店を構える“郊外型”の店舗と、(株)ヨドバシカメラや(株)ビックカメラといったターミナル駅に拠点を置く“都市型”の店舗では、売れるパソコンの種類が異なります。

例えば都市型の店舗ではデスクトップよりノートパソコンが売れるという傾向が特に強いのですが、こうした状況を分析した上で、各店舗に合わせて販売戦略をとっていくのが重要でしょう。


[編集部] “iPodが大ヒットしたおかげでMacも売れている”と言われることもありますが、国内では実際に数字に表れているのでしょうか?

[新行内氏]

iPod効果のおかげで日本でもアップルの認知度は高まりましたが、出荷台数にはまだ本格的に反映されていません。これから少しずつ現れていくでしょう。


[編集部] 90年代にはMacの市場シェアが10%を超えていた時期もありました。ここまでにシェアを戻すのは難しいでしょうか?

[新行内氏]

当時と今とでは、ユーザー層や利用方法など、パソコンを取り巻く環境が大きく違います。Macはクリエイティブ関連などの仕事で使う人や、ITリテラシーが高いユーザーの割合が大きい傾向にあります。

例えばWindows PCが“家庭用冷蔵庫”だとしたら、Macは“ワインセラー”のような趣味性の高い製品だと思います。ワインセラーはワインブームが起これば欲しいと思う人が増えるかもしれませんが、冷蔵庫と置き換えられる存在ではありませんよね。


1994年〜2005年におけるMac出荷台数の推移。黄色の棒グラフが出荷台数、緑の折れ線グラフがシェアを表わす(出典:IDC Japan 3/2006)


(編集部 広田稔)





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