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【WWDC 2006 Vol.10】「Windows機と比べても実は手頃」――米アップル副社長・ムーディー氏が語るMac Pro

Printable Version 2006年08月21日

現地時間の8月7日に開催され、次期Mac OS X“Leopard(レパード)”やプロ向けデスクトップ『Mac Pro』が公開されたWWDCの基調講演。そのイベント後、米アップルコンピュータ社の重役が新発表についてのまとめと質疑応答を行なった。

今回はまずMac Proについての話を紹介していこう。製品を解説したのは、以前MacBookについても詳細を語ってくれた、ワールドワイドハードウェアプロダクトマーケティング担当副社長のデビッド・ムーディー(David Moody)氏だ。


conroe
WoodcrestとConroeはともに開発コード名で、インテルのラインアップではWoodcrestがサーバー用、Conroeがデスクトップ用という位置づけだ

[――] Mac Proに“Conroe(コンロー)”ではなく、“Woodcrest(ウッドクレスト)”を選んだ理由は?

[ムーディー氏] この製品のターゲット層を見て分かったのが、彼らの要求が非常に高いということです。常に最高のパフォーマンスを求めていますし、最大の拡張性を求めています。彼らは常に可能性の限界に挑戦している人達なのです。それだけにわれわれにとっても、顧客のニーズに応える仕様を用意することが重要でした。

Woodcrestはいくつかの点で大きなアドバンテージがあります。まず2つソケットを用意して、4コア構成を用意できるということです。われわれはこの4コア仕様を全製品ラインで提供する予定です。



ConroeのFSB
Conroeは7月に“インテル Core 2 Extreme プロセッサー”と“インテル Core 2 Duo プロセッサー”という名前で5製品が発表された。最大クロックは2.93GHz、FSBは5製品とも1066MHz
2つのプロセッサーには、それぞれが独立したフロントサイドバス(FSB)が用意されています。このFSBは1.33GHz動作で、Conroeのものよりも高速な仕様です。加えてプロセッサー自体の動作速度もConroeより速く、最大3.0GHzになっています。

またWoodcrestのチップセットが、より大きな物理メモリ容量をサポートしていたのも重要な点でした。DIMMを4つしか搭載できないシステムと、8つ搭載できるシステムという選択肢の中、われわれの顧客のことを考えれば間違いなく8DIMMを選ぶという結論が出てきます。


[――] ノースブリッジ(マザーボード上にあるCPUなどを制御するLSI)には何が使われていますか?

[ムーディー氏] “GreenCreek”です。これはWoodcrestにあわせて用意されたノースブリッジのチップです。


[――] PCI Expressは、各スロットがそれぞれ何レーンをサポートしていますか?

[ムーディー氏] グラフィック用のスロットは16レーンで、残りの3スロットはユーザー・コンフィギュラブル、つまり構成変更が可能になっています(参考記事)。業界で他に同じことをやっている会社があるか知りませんが、ソフトウェアでコンフィギュレーションを変えられるというのは非常にクールな機能だと自負しています。




SLIやCrossFireには非対応

SLI
SLIはグラフィックカードを2枚以上搭載することでグラフィック処理能力を向上させるという米エヌビディアの技術。写真は(株)エルザジャパンの“GeForce 7900 GTX”搭載カード『ELSA GLADIAC 979 GTX Silent 512MB』を2枚使ったSLI構成の見本

[――] Mac Proは米エヌビディア(NVIDIA)社の“SLI(Scalable Line Interconnect)”技術をサポートしていますか?

[ムーディー氏] われわれの顧客がハイエンドMacを使って何をするかといえば、ビデオ編集やオーディオ編集、科学技術の計算といったものが中心です。SLI技術はこうしたユーザーのニーズに応えるものではありません。

ダブルワイドグラフィックスが使えること。しかも、ダブルワイドのグラフィックカードをさした上で、なお3スロットが自由に使えることは、われわれの顧客にとって重要な問題です。ただSLIはそれほど重要度が高くないと判断しました。




CrossFire
CrossFireとは、2枚のグラフィックカードを使うことでグラフィック処理能を向上させるカナダのATIテクノロジー社の技術

[――] カナダのATIテクノロジー社の“CrossFire”についても同じですか?

[ムーディー氏] ええ、同じです。それらの技術は基本的にほぼ同じものを目指しています。ニッチな技術だと思っています。


[――] CPUはユーザーが交換してもいいのでしょうか?

[ムーディー氏] ユーザーによるCPU交換はサポートしていませんが、購入時にBTOオプションとして3種類のCPUを用意しています。


[――] ファンの動作音は静かになりましたか?

[ムーディー氏] 正確な数値は忘れましたが、『Final Cut Pro』などを起動して、かなりの負荷をかけても、あまり音はしません。これまでの『Power Mac G5』と比べるとかなり静かになっています。


[――] Mac Proはシングル構成ですが、これはどういう考えに基づいているのでしょうか?

[ムーディー氏] この製品のターゲットのニーズは、非常にバラバラであることがわかりました。顧客1人1人が違ったニーズを持っていて、それらすべてに応えることは不可能でした。

そこでわれわれが到達した答えは、ただ1つだけメインストリームとなり得るシンプルな構成を用意し、あとはBTOで広がりを持たせるという方法です。500万種類近い構成が選べるのだから、きっとそれぞれの人にあった構成が見つかるはずです。


[――] これらのBTOオプションは小売店でも選べるのでしょうか?

[ムーディー氏] ええ、小売店でもそうしたBTOを選べるための仕組みを用意しています。


[――] それにしても今回の製品は仕様を考えると安いですよね。

[ムーディー氏] ええ。フィル・シラーも言っていましたが、これまではCPUなどが違っていたので、Windows機と価格を直接比較することができず、「アップルの製品は高い」というイメージが勝手に広まっていました。

ただ、この製品で、われわれの製品が実際には手頃であることが証明できたと思います。アップルはこの製品で顧客に“パフォーマンス”“拡張性”、そして“手頃さ”というバリューを届けていきたいと思っています。





(ITジャーナリスト・林 信行)





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