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キミはビル・ゲイツのパイ投げ事件を見たか!? ――IT著名人必見YouTubeベスト映像

Printable Version 2006年10月05日

時代を象徴する出来事や人物は映像で残る。IT業界も例外ではない。YouTubeには、IT著名人たちの歴史的な映像が数多く保存されている。そうした映像から必見のものをいくつか選んでみた。……と、まじめに書き出してみたが、YouTubeのことなので歴史とか資料的価値とか、そういうことではなく、あのIT著名人たちの、ちょっと懐かしかったり、おかしかったりする名場面集のランキングだ。

ビル・ゲイツ、顔面にパイを投げつけられる(1998年)

今から約8年前の1998年2月4日、ベルギーのブリュッセルを訪問していたビル・ゲイツはEU本部ビルに入ろうとする直前、建物の前で何者かに突如クリームパイを顔面にぶちまけられた。

懐かしいと思った人もいるかもしれないが、パイ投げ事件を知らない若い人のために少し説明を。

当時は世界的にWindows 95が大成功を収め、業界におけるマイクロソフトの勢力が日増しに伸びていた時期だ。勢いが増せば妬みも買う。まして当時、OSとウェブブラウザー、メディアプレーヤーの抱き合わせ販売は、独占的なOSの地位を利用した他社製品の不当な締め出しだということで、独禁法違反の疑いで調査が進められていた時期。コンピューターユーザーのなかにはマイクロソフトのあこぎなやり口を非難する人が多かった。パイ投げ事件は、そうした業界やユーザーの心情を象徴する出来事だった。

パイを投げつけられた約6年後の2004年、同じブリュッセルでEUはマイクロソフトの独禁法違反を認定し、6億1300万ドル(約721億円)の制裁金を課すという歴史的な判決を出ている。ちなみにそのとき、サーバーやプロトコルの情報開示や、メディアプレーヤー非搭載のOSを出荷する決定も下したが、ずるずると遅らせる対応を取るマイクロソフトに対し、技術情報提供が十分でないということで、今年7月にEUは3億5700万ドル(約420億円)の追徴課金も言い渡している。

パイを投げたのはベルギー人のノエル・ゴーディンという人で、この人はビル・ゲイツに限らず、いろんな著名人にパイを投げることで知られた文筆家兼役者でもある。パイ投げ実行犯は、直後に3人捕まったが、実際にパイ投げ計画のために32人もの仲間が慎重にコトを運んだのだとか。ちなみに、ノエル・ゴーディンがどんな風貌か知りたい人は、彼のファンのページにある写真をご覧あれ。気のよさそうなおじさんだ。

プレゼンの天才スティーブ・ジョブズの“ブーン”(1990年代〜現在?)

スティーブ・ジョブズのプレゼンテーション能力の高さは業界の常識だ。原稿なしに1時間以上もしゃべり続け、誰ひとり会場で寝る人間がいないという話術は、もはや伝説的。淀みなく、ジョブズがとうとうと語る新しいコンセプトや製品に会場は沸き立ち、スタンディング・オベーションですら、もはやおきまりコースといった感じだ。

そんな彼の魔術のすべてが詰まったプレゼンテーション映像が、これだ。

ひたすら“ブーン(boom)”だ。“boom”というのは、目の前で何かが起こったとき、爆発したり、箱が開いたりしたときに発する擬音語で、日本語で言えば「そうら」「ほらっ」「ポンっ」「ドン!」といった感じ。特に操作が簡単で、結果が劇的であることを印象づけるときに使われる。ジョブズは、「この新しいツールを使えば、ほら! もうできた」といった風にやるわけだ。

彼のプレゼン技法にあやかりたい人は、同類の彼の決めぜりふを集めた映像集もどうぞ。

と、これだけではあんまりなので、ジョブズの歴史的なプレゼンをリストアップしておこう。

ジョブズはこれまでの半生で、コンピューター業界、映画業界、音楽業界のそれぞれで文字どおり華々しい成功を収めているが、そのうち2つの成功のスタート地点に立つ彼の映像だ。Macintoshのときにはスタンディング・オベーションで迎えられているが、iPod発表時の観衆の微妙な反応が興味深い。「その製品名はiPodです」、とジョブズが宣言したとき、少し静まりかえった観衆から、やがてかすかな失笑が聞こえてくるのが、今となっては印象的だ。

歴史的映像といえば、こんなのもある。それぞれ時代が異なるようだが、ビル・ゲイツがMacintoshを賞賛する一方、スティーブ・ジョブズがMicrosoftの革新性のなさを容赦なく指摘したりしている。

スティーブ・バルマーの雄叫び

最近は海外のビジネスパーソンでも日本の企業文化やビジネス慣行をよく知っていることが多いので、訪日時には話し方を変える人も多い。その代表格がマイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏だ。まずは、彼の狂ったような雄叫びを見てほしい。

日本に来て講演したときには決して見せない、はしゃぎっぷり。開発者に向かって語りかけているところを見ると、開発者向けイベント“TechEd”の一幕か。日本の開発者の前に出て、こんな騒ぎ方をしたらひんしゅくを買うばかりだろう。

彼は開発者に熱っぽく語りかけるあまり、「Developers(開発者)」という語を連呼する。

バルマーは怒りっぽく、口調が熱っぽいことで知られているが、それは今に始まったことではない。1986年のWindowsのテレビCMを見れば、彼のテンションの高さと彼のオデコの生え際の後退が、すでに20年前に始まっていることがよく分かる。

「時計」や「リバーシ」が付属して、たったの99ドルだと絶叫している。

ところで余談だが、アメリカ人にはやたらと叫ぶ人が多いように思う。2004年大統領選のとき、民主党大統領予備選の候補だったハワード・ディーンは、興奮のあまり選挙戦の遊説中に雄叫びをあげ、それが災いして落選。雄叫びシーンは翌日にはテレビで繰り返し放映された。これは、もはや“ディーンの雄叫び”として歴史に残りそうだが、バルマーの雄叫びもIT関係者の間では語り継がれることになりそうだ。

(編集部 西村賢)





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