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電子書籍ポータル“FlipBook”がスタート──雑誌や書籍が無料で読める

Printable Version 2007年1月19日

イーブック・システムズ(株)は19日、電子書籍のポータルサイト“Flib (フリブ)”をオープンした。同社が提供する電子書籍形式“FlipBook (フリップブック)”を使って制作された、雑誌/書籍/絵本/小説/カタログなどのコンテンツを紹介する。

Flib
電子書籍のポータルサイト“Flib ”

ユーザーはビューワーソフトの『FlipBook Viewer』を組み込むことで、ウェブブラウザー上で電子書籍を閲覧できる。スタート時点では30冊以上のコンテンツを揃え、購読料は無料だ。

現時点の主なタイトルは、雑誌が(株)デジマの無料マンガ週刊誌『コミック・ガンボ』や、(株)アクセス・パブリッシングの40代男性向けのライフスタイル誌『Manyo』など。小説では青空文庫をベースにした芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や太宰治『走れメロス』が、絵本では『かちかちやま』や『うらしまたろう』が用意されている。

『コミック・ガンボ』
無料マンガ週刊誌『コミック・ガンボ』
小説を表示したところ
小説を表示したところ

Flibの主な特徴は、Windows Vista用のガジェットを用意するということ。ガジェットでは電子書籍の要約が表示され、クリックするとウェブページに移動する仕組みになっている。

このガジェットはFlipBook Viewerととともに、NECパーソナルプロダクツ(株)や富士通(株)など、5社のWindows Vista搭載パソコンにプレインストールされる。

サイドバーのガジェット
デスクトップに展開したところ
ガジェットをサイドバーに置いた状態(左図)と、デスクトップに展開したところ(右図)

FlipViewerの対応OSは、Windows XP/Vista/2000、Mac OS X 10.3.9以上。対応ウェブブラウザーは、Widnows環境がInternet Explorer 6.0SP2日本語版、Mac OS XがSafari 1.0以上。対応機種は、Pentium-300MHz以上のCPUを備えたPC/AT互換機、PowerPC G3-450MHz以上かCore Solo-1.5GHz以上のCPUを備えたMacintosh。


“続けてめくれる”が特徴

電子書籍といえば、Adobe PDF、XMDF、EBI.Jなど、いくつかのファイル形式が併存している。競合形式に対するFlipBookのアドバンテージとして、イーブック・システムズ(株)の代表取締役社長、岡崎眞(おかざきまこと)氏は「紙の本のメタファーを徹底的に追及した」と説明した。

具体的には、複数ページを続けてめくれる、開いているページ位置によって本の厚さが視覚的に変わる(どこを読んでいるかが直感的に分かる)、広告をページ全体に表示する──といった点で国際特許を取得しているという。

なおFlipBookでは、音声や動画を埋め込むことや、ユーザーのクリックで写真が切り替わるようなインタラクティブアクションといった、電子書籍ならではの仕組みも実現できる。

アクセス・パブリッシングの団塊世代向け男性誌『ginger』。続けてページをパラパラとめくれる

「圧倒的に出版社に有利」

また、岡崎氏は「FlipBookの雑誌は新たな広告市場を作る」と意気込み、コンテンツメーカーのビジネスモデルに関しても具体例を挙げた。

例えば、『Manyo』では見開き2ページで200万円という掲載料で営業しているが、この金額は「広告代理店やクライアントから、『10万人の読者がいたら、決して高いとは思わない』と聞いている。1ユーザーあたり20円で、バナーに比べると強烈に高い金額」とのこと。

広告例
見開き広告の例。動画や音声を埋め込んだり、インタラクティブコンテンツに仕上げることも可能

この数字に基づき、出版社側の利益を「1つの雑誌あたり10〜20の広告スペースを用意できるので、読者1人あたり200〜400円の収入を得られる」と計算している。

現状は無料のコンテンツのみだが、「出版社の要望もあり、近々に有料の“電子ブック書店”をやりたいと思っている。決済などの問題があるが、選択肢としては用意しておくべき」との見解も示した。

なお、FlipBookの著作権保護技術については、「出版社側の意向で、1週間、1ヵ月といった閲覧期間を設けたり、ファイルを別のパソコンに持っていったら見られなくするといったことが可能。そのほか、印刷やプリントスクリーンなどの制限にも対応する」と説明した。この著作権保護のおかげで、L'Arc-en-Cielのボーカル、Hydeの会報誌にもFlipBookが採用された実績があることを明かしている。


イーブック・システムズの収益方法について岡崎氏は、FlipBook Viewerを売るのではなく、コンテンツを提供する出版社から雑誌1号の1読者あたり3円のライセンス料をもらうと説明している。

これは先の広告収入で計算すれば、1〜1.5%程度で済む「圧倒的に出版社に有利」な金額という。1冊あたりは小額だが、多くの出版社の参加を促し、コンテンツを増やしてユーザーを集めて収益を増やすというビジネスモデルを描いているようだ。岡崎氏は「基本的には無料のまま、できるだけ早い機会に300冊くらいにしたい」と今後のプランを示した。



(編集部 広田稔)





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