MacPeople 2006年12月号 2006年11月21日
インテル製CPUを搭載したiMacのユーザーの中には、ディスプレーの高さを変えられないところに不満を感じる人もいるようだ。
実際に使ってみると分かることだが、本体を支える標準のスタンドは基本的に上下方向の角度の調整のみが可能で、意外と意図した位置にディスプレーを固定できない。特にサイズが大きい24インチモデルの場合は、ディスプレーの位置が高すぎると感じられるのではないだろうか。
そこで不満解消の選択肢のひとつとして考えられるのが、VESA(ベサ)スタンド/アームの利用だ。あまり知られていない事実だが、インテルCPUを搭載したiMacのうち、24インチモデルにのみVESAマウントアダプターがオプションで用意されている。
サードパーティーのVESA対応製品と組み合わせれば、設置の自由度はかなり高くなる。ただし市販のすべてのVESAスタンド/アームが使えるとは限らないので注意が必要だ。
ちなみにVESA(“Video Electronics Standards Association”)はビデオ周辺機器に関する業界標準化団体で、映像/画像の解像度やインターフェースの仕様などを規定している。
【用意】
アームの装着にはアダプターが必要
まず必要なのは、24インチiMac専用の『VESAマウントアダプタキット』。これはApple Storeで入手できる。取り付けに必要な工具も一式含まれているため、Mac側の用意はこれだけで済む。
サードパーティー製のVESA対応アーム/スタンドは各社から発売されているが、11.2kgというiMac本体の重量に耐えられる製品は少ない。今回は、(株)ウィンテクノの2製品を使用した。
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(株)ウィンテクノの『LA-50FR』。価格は2万5000円で、耐荷重は最大12kg |
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こちらも(株)ウィンテクノの『LA-6A-4』。価格も2万5000円で耐荷重は最大15kg |
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【手順】
ここではiMac本体にVESAマウントアダプターキットを取り付ける手順を紹介しよう。iMacにはもともとスタンドが付いているので、それを外すところから始める。分解することなく、意外と簡単に外れる。
1.スタンドのラッチを外す
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iMacを立てた状態で、キットに付属するプラスチックカードを本体とスタンドのすき間に差し込み、中のラッチを外す。すき間が狭くて差し込みにくいが、何度か試していると感触でわかるはずだ |
2.本体を傾けてカードを抜く
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中のラッチが外れると、iMac本体は通常以上の角度で前方に傾くようになる。いっぱいに傾けると、スタンドを固定している8本のネジが露出する。この状態になったらカードは抜いていい |
3.トルクスレンチで8本のネジを外す
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ネジが露出したら、そのままディスプレーを下にしてiMacを伏せて置く。キットに付属のトルクスレンチで8本のネジを緩めて外す。ネジはかなり強く締まっているので、頭をつぶさないように注意 |
4.本体とスタンドを分離する
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ネジを全部外すと、本体とスタンドが分離する。スタンドはまた使う場合に備えて保管しておくといいだろう。8本のネジはアダプターのパーツの固定に使うので手元に置いておくこと |
5.ブロック状のパーツを取り付ける
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キットに付属しているブロック状のパーツを、スタンドを固定していたネジで本体に取り付ける。ブロックは本体と垂直に取り付けるが、ネジの向きは斜めとなるので締め付ける際には注意が必要だ |
6.パネルをネジ留めする
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先ほど取り付けたブロックに、パネルをネジ留めする。ネジは中央上からと側面左右の計3本だ。まず上の1本を締める。この際、側面のネジ穴を確認し、パネルの位置やネジの締め具合を調整する |
7.側面のネジを締める
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左右側面のネジはシャフト状になった特殊なもの。これだけは付属の六角レンチで締める。ネジ穴の位置がぴったり合わないと締まらないので、うまくいかないときは手順6に戻って根気よく調整する |
次ページでは、早速、その使い勝手をお届けしよう。
【検証】
自由度はあまり高くないがiMacがまるで別のマシンに
VESA規格で定められているのは、スタンド/アームとディスプレーの取り付け部分の寸法と取り付け方法だけ。スタンド/アームのデザインに関する規定はないため、さまざまなタイプの製品が市販されている。
ただし、一般的な液晶ディスプレーを取り付けて使うことを前提に設計したものが多いので、平均的な耐荷重は1台のディスプレーあたり5〜6kg、大型のものでも10kg程度のものがほとんどになる。
しかし、24インチのiMacの本体重量は11.2kgで、専用のVESAマウントアダプターが約400g(ネジを除く)なので、最低でも12kgを支えられるスタンド/アームでなくてはならない。耐荷重が小さい製品を使うと事故につながる可能性があるので、購入の際はくれぐれもスペックを確認しよう。
VESA規格のスタンド/アーム固定方式は、意外に華奢に見える4本のネジで留めるだけ。この部分のネジ穴の間隔が75mmのものと100mmの2種類がある。iMacは100mmのタイプだが、VESA規格対応のスタンド/アームの多くは、両方に取り付けられるアダプターが付属している。
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今回使用した『LA−50FR』も本来は75mmで、アダプターで100mmに対応させるタイプ。純正のパネルの上に、さらにアダプタープレートを取り付ける |
VESA対応のスタンド/アームは比較的単純な構造だが、組み立てや取り付けの際には、各製品のマニュアルをよく読んで、正しい手順で確実に作業すること。
ネジは頭をつぶさないように注意しながら、全体的に強く締めることを心がけよう。なお、フレキシブルタイプのアームの場合、左右方向の角度や位置、上下の位置などは比較的スムーズに調整できる。
スタンドタイプ
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上下方向の角度調整と360度の首振りが可能な『LA−50FR』。写真ではスタンド部分が短いが、この製品は受注生産品であり、スタンドの高さもオーダーできる |
フレキシブルアームタイプ
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フレキシブルタイプのアームを使用すれば、左右方向の位置や角度の調整はかなり容易だ。高さはその場で片手で変更できないものの、比較的自由に調整できる。テーブル面も自由に使える |
ただし、上下方向の角度調整は、アームの構造にもよるが、かなり難しい。iMacの重量が重いので、その部分のジョイントを強く締めておかなければないからだ。
そのため事実上、角度は固定となってしまう。特に使用中に片手で簡単に角度を調整するというわけにはいかない。この点だけは、回転軸をiMacの重心と一致させている元のスタンドのほうがかえってフレキシブルであることは覚えておこう。
iMacの元のスタンドの場合、高さは固定で、iMac本体とテーブルの間の距離は比較的広い。また、iMacのフロントパネルの中で液晶ディスプレーは上辺に寄せて取り付けられているため、ユーザーの目線に対するディスプレーの位置はかなり高めとなる。iMacの画面を見上げるようにして使っている人も少なくないだろう。VESAスタンド/アームを使って調整することで、この問題は緩和されるはずだ。
またフレキシブルタイプのアームでは、iMacの向きをその場で左右に回転することを可能にしているものもある。OSやソフトが対応していれば、iMacを縦長のディスプレーとして使用することも可能だ。
ただし、iMacが搭載する米エヌビディア社製のGPUは、OS X環境ではディスプレーのピボット(90度回転)表示には対応していない。米AMD社が買収した加ATIテクノロジーズ社製のGPUならば、同社製のユーティリティーソフト『ATI Displays』によって、Macの画面表示を90度単位で回転できる。
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『LA-6A-4』は、取り付け部分が自由に回転できるタイプ。このため、iMacのディスプレーを縦長にすることも可能だ |
いずれにしても、VESAスタンド/アームに取り付けることで、iMacはかなり雰囲気の異なったマシンに見える。ディスプレー位置に不満を感じているiMacユーザーにとっては、一考に値するオプションと言えるだろう。
なお、今回紹介した以外にも、iMacで使えるスタンド/アームは存在する。日本フォームサービス(株)の『バルーンアーム2』は、オプションによりさまざまな装着方式を選べる製品。アーム本体のみの価格は5万円前後だ。
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『バルーンアーム2』 |
(柴田文彦)
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