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Bluetooth SIG、マーケティング担当ディレクターがBluetooth技術の将来像について講演――ワイヤレスUSBとは共存が可能との見方を示す

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Bluetooth SIG アジア太平洋・日本担当マーケティング・ディレクターのエリック・シュナイダー氏
Bluetooth SIG アジア太平洋・日本担当マーケティング・ディレクターのエリック・シュナイダー氏

Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は26日、東京都内にてアジア太平洋・日本担当マーケティング・ディレクターのエリック・シュナイダー(Eric Schneider)氏による講演を行ない、Bluetoothの現状と将来についての説明を行なった。

Bluetooth SIGとはBluetooth無線技術の開発と普及促進活動を行なう業界団体で、1998年に設立された。主な傘下企業(Bluetooth SIG推進メンバー)には、米インテル社、米マイクロソフト社、(株)東芝、米モトローラ社、フィンランドのノキア社、スウェーデンのエリクソン社など計8社が名を連ねている。シュナイダー氏は現在3000社以上が、Bluetoothの仕様とロゴマークを使用できる“採用メンバー”(Adopter Member)として参加していると述べた。また2200種、2億5000万個以上の対応製品が発売済みであり、2004年にはより高速なデータ転送速度に対応したBluetooth 2.0 +EDR(Enhanced Data Rate)が発表されるなど、普及と拡張が続いているとの見方を示した。またシュナイダー氏は日本ではBluetoothの普及が進んでいないことを認めつつも、Bluetooth自体の認知度や無線技術の重要性に対する認識は、普及の進んでいる英国並みに高いというレポートを披露した。

日米欧の地域別Bluetooth対応機器の出荷状況。現在は日米合わせても欧州の半分程度と普及が進んでいないが、2006年以降は急激な拡大を見せると予測する
日米欧の地域別Bluetooth対応機器の出荷状況。現在は日米合わせても欧州の半分程度と普及が進んでいないが、2006年以降は急激な拡大を見せると予測する
Bluetoothと無線LAN技術の“Wi-Fi”、赤外線データ通信技術“IrDA”の認知度についての調査データ。普及の進んでいない日本でも、Bluetooth自体の認知度は英国並みに高いとしている
Bluetoothと無線LAN技術の“Wi-Fi”、赤外線データ通信技術“IrDA”の認知度についての調査データ。普及の進んでいない日本でも、Bluetooth自体の認知度は英国並みに高いとしている

日米英の3ヵ国で、どのようなBluetooth対応機器に興味があるかについての調査では、日本の消費者もコンピューターと携帯電話間の接続や、コンピューターとPDA間の接続に注目しているというレポートもあった。ちなみに英国では携帯電話と車載機器が最も注目されているようだ。

Bluetoothの今後の拡張については、2004年からの3ヵ年計画に基づく拡張が進行していると言う。2004年の+EDRに続いて、2005年にはQoS(Quality of Service、通信の速度や品質を保証する技術)やセキュリティー、電源管理の最適化などの技術の導入や、新しいプロファイルの導入が予定されており、これらは2005年第4四半期には製品のプロトタイプが登場するという。さらにシュナイダー氏が2006年予定の拡張で「一番面白い」と評したのが、マルチキャストの技術だと言う。これはBluetoothを使い、1つの無線機器から複数の機器に対して通信できる(現在は1対1)という技術。シュナイダー氏は1台の車載DVDプレーヤーから、前席と後席のディスプレーに対して映像を無線配信できるという例を示した。またプレゼンテーション資料では、マルチプレイヤーゲームへの応用なども、マルチキャストの例として示されていた。

高速化については、Bluetooth SIGと高速近距離無線通信技術“UWB”(Ultra Wide Band)の開発を行なう企業が協力して、両技術の強みを融合していくことが発表されている。これにより、BluetoothはUWBの高速性(10mの距離で約400Mbps)を、UWB側はBluetoothのブランド力や広範なアプリケーションを利用可能になると言う。シュナイダー氏の講演で示された図では、UWBのMAC層やPHY層の上に、Bluetoothのプロトコルスタックなどが乗っている図が描かれており、Bluetoothのプロトコルや対応アプリケーションが、UWBの通信機能を利用できるようになるという将来像を示している。

シュナイダー氏の講演で示された、将来のBluetoothとUWBのアーキテクチャー。Bluetoothのプロトコルなどが、UWB機器でも利用可能になるとしている
シュナイダー氏の講演で示された、将来のBluetoothとUWBのアーキテクチャー。Bluetoothのプロトコルなどが、UWB機器でも利用可能になるとしている

多用途の無線データ通信技術にはBluetooth以外にも、“UWB Forum”と“WiMEDIA Alliance”などの規格化団体が、UWBの標準化を巡って対立している。またWireless USB Promoter Groupが規格化を行なった“Wireless USB”のようなものや、Wi-Fiアライアンスが進めるIEEE 802.11シリーズの無線LAN技術、さらには“ZigBee”のような低消費電力を武器にした建物内部の電気機器間通信をターゲットにした、Bluetoothと競合しそうな無線データ通信技術も存在する。これらの競合技術との関係や展望について問われたシュナイダー氏は、まずUWB ForumとWiMEDIAの対立については、理想的なケースでは1年程度、悪くても18〜24ヵ月以内に統合されるとの見方を示した。Bluetooth SIGはどちらかに肩入れすることなく、中立の立場を取るとした。またWireless USBについてはBluetoothと競合せず、最終的には両方で使えるようになるという私見を述べた。Wi-Fiについては無線LAN技術という枠にあるため、多用途のBluetoothとは競合しないとした。

講演会場には最新のBluetooth対応機器が展示され、シュナイダー氏やメーカー担当者が、さまざまなデバイス間を無線で結ぶBluetoothの利便性をアピールした。しかし今後Bluetoothが日本でも普及するためには、IEEE 802.11b/gがそうであったように、少数の機器にのみ搭載されるプレミアムな機能ではなく、どの機器(特に携帯電話)にも当たり前に搭載されているベーシックな機能、つまりBluetoothがあってもコストは変わらない、というレベルまで落とし込んでいく必要があるのではなかろうか。携帯電話での対応機種の増加に期待したい。

会場で見かけたBluetooth機器
ホワイトボードの右隅に装着された米Luidia社のBluetooth“eBeam”。専用ペンの動きを感知して、ボードに書かれた絵や文字を、Bluetooth経由でパソコンに転送する
ホワイトボードの右隅に装着された米Luidia社のBluetooth“eBeam”。専用ペンの動きを感知して、ボードに書かれた絵や文字を、Bluetooth経由でパソコンに転送する
キヤノンのBluetooth対応モバイルプリンター。現行製品では『PIXUS iP90』がオプションでBluetoothに対応している
キヤノンのBluetooth対応モバイルプリンター。現行製品では『PIXUS iP90』がオプションでBluetoothに対応している
シュナイダー氏が一番のお気に入りというiPod用Bluetoothワイヤレスヘッドホン『iCombi』。日本ではサンコーレアモノショップなどで販売中
バイク用ヘルメットに装着された米モトローラ社のBluetoothヘッドセット。シュナイダー氏が指し示している部分に超小型のヘッドセットユニットが内蔵されていて、ユニット自体は取り出して単体でも使用できる
バイク用ヘルメットに装着された米モトローラ社のBluetoothヘッドセット。シュナイダー氏が指し示している部分に超小型のヘッドセットユニットが内蔵されていて、ユニット自体は取り出して単体でも使用できる
デンマークGN Netcom社の超小型Bluetoothヘッドセット『Jabra BT800』。手前の面を耳にかける
デンマークGN Netcom社の超小型Bluetoothヘッドセット『Jabra BT800』。手前の面を耳にかける
日産自動車(株)のカーナビ用サービス“CARWINGS”のデモ。USB接続に加えてBluetooth搭載携帯電話と接続して、カーナビ側から携帯電話を経由してデータダウンロードや音声によるオペレーターサービスを受けられる
日産自動車(株)のカーナビ用サービス“CARWINGS”のデモ。USB接続に加えてBluetooth搭載携帯電話と接続して、カーナビ側から携帯電話を経由してデータダウンロードや音声によるオペレーターサービスを受けられる
CARWINGSは専用カーナビと対応携帯電話、さらにサービス利用のための会員登録が必要。サービス利用自体は、契約後3年間は無料となっている
CARWINGSは専用カーナビと対応携帯電話、さらにサービス利用のための会員登録が必要。サービス利用自体は、契約後3年間は無料となっている

(編集部 小西利明)





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