2006年05月26日
フォーカルポイントコンピュータ(株)の『TVMicro』は、スティック型でコンパクトな筐体と店頭販売価格で1万6800円という手頃な価格が特徴のテレビキャプチャーユニットだ。
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『TVMicro』 |
Macのキャプチャーユニットといえば選択肢が少なく、店頭販売価格も2万円台半ば以上とWindows環境に比べてやや値が張る状況だったため、TVMicroの登場に「やっとMacの世界でもお手軽なキャプチャー機器が手に入る」と期待をよせる人もいるだろう。6月の発売に先駆けて評価機を入手したので、早速、実際の性能や使い勝手をチェックしてみた。
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本体サイズは付属のリモコン以下で、iPod shuffleほど |
リモコン操作のために、本体の設置位置が重要
使用準備はとても簡単だ。ハードウェア的には、TVMicro本体に付属の同軸ケーブル用アダプターをはめ込み、さらにアンテナ線をつないでMacのUSB端子に差すだけ。アンテナ線のほか、携帯型のロッドアンテナも接続可能だ。USBバスパワーで駆動するため、別途ACアダプターなどをつなぐ必要はない。
ただし、設置で気をつけたいのはノート型MacのUSB端子に本機を直接差すと、本体横幅の関係で、本機を挿した端子の両横の端子にも干渉して使いにくくなってしまう場合があるということ。付属のUSB延長ケーブルを使うといい。
また、付属の赤外線リモコンで操作するために、受光部のある本機を赤外線の届くところに置く必要がある。Mac miniなどデスクトップ型Macの背面に直挿しすると操作が難しくなってしまう。
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MacBookのUSB端子に直挿しすると、その両横の端子をふさいでしまう |
ソフトウェア的な準備では特に迷うところはないだろう。付属CDから視聴/録画ソフトの『EyeTV 2』をドラッグ&ドロップでインストール。初回起動時にアシスタントが表示されるので、画面の指示に従って設定していけばいい。
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チャンネル設定はプリセットから選ぶタイプではなく、オートスキャンで設定する。通常30秒ほどでスキャンは終わるが、「高感度スキャン」をチェックすると自動設定完了まで数分を要する |
あとは画面上のコントローラーまたは付属リモコンから操作して、すぐにテレビを視聴できる。そのまま録画ボタンを押せば、視聴中の番組を録画可能だ。
本機にはノイズリダクションやゴーストリダクションといった画質改善回路は搭載されていないので、視聴時の画質は電波状況に左右される。手軽さ重視の製品と考えれば、このあたりの割り切りは妥当だろう。(次ページに続く)
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30分ほどの準備でテレビの視聴が可能になる(註:キャプチャー画像にはモザイク処理を施しています)。なお、再生ウィンドウをDockに収納しても、Dock内で再生が続けられる。あまりにもミニチュアサイズなので実用性は乏しいが…… |
SP標準/HQで録画するには高性能なCPUが必要
続けて、予約操作や録画後のビデオ編集機能を見ていこう。
環境設定の“装置”タブには、視聴の画質を決める“動画質”と、録画の画質を決める“録画質”が用意されている。それぞれ設定は3段階のプリセットから選択するだけと、初期設定と同様に迷うところがない。ビットレートや画面サイズなどは細かく指定できないが、これは手軽さ重視のコンセプトに沿ったためだろう。
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動画質を設定するメニュー。他の作業をしながらテレビもチェックしたいときは低解像度、テレビ視聴をメインにしたいときは高解像度といったように使いわけよう |
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録画質を設定するメニュー。デュアルのPowerPC G4/G5か、Intel製CPUを備えたMacを使っているなら、地上アナログ放送と同じD1解像度(720×480ドット)を維持できる“HQ”モードがお勧め |
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ただし、本機はソフトウェアで変換しながら保存する“ソフトウェアエンコード”を採用しているため、高画質での録画には高いCPU性能を要求する。具体的には、“SP標準”か“HQ”で録画するためには、デュアルのPowerPC G4/G5か、Intel製CPUを備えたMacが必要だ。
iBook G4やPowerBook G4などで録画するときは低画質の“ビデオCD”しか利用できないのは残念だが、“見て消す”というタイムシフト的な使い方であれば十分な画質だろう。
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PowerPCのシングルCPU機などで“SP標準”“HQ”を選択すると警告が表示される。この状態でも録画を実行できるが、コマ落ちが起きるため実用的ではない |
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MacBook-2GHzで録画した際のメイン画面。Intel製CPUを搭載したMacで視聴するだけならCPUの使用率は低く、ウェブブラウズなどを同時に行なえる |
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ちなみに今回の検証にはMacBook-2GHz(メモリーは512MB)を用いたが、“HQ”で録画時に『アクティビティモニタ』でCPUの使用率を見ると、ほとんどのシーンで30%程度、画面変化の激しい場面で瞬間的に70%程度に上昇するといった値であった。録画中に『Safari』でいくつかのウェブサイトを閲覧してみたが、動作の引っかかりなどは特に感じられなかった。(次ページに続く)
録画後にiPod用ムービーを自動作成
録画予約には、インターネット電子番組表(iEPG)を用いる。今ではDVDレコーダーやデジタル放送対応テレビで一般的になった電子番組用(EPG)のインターネット版で、主な予約操作はiEPGサイトを開いて番組表で録画アイコンをクリックするだけ。このあたりは一般的なキャプチャー機器と同じ操作感だ。
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環境設定の“ガイド”タブで、利用するiEPGサイトをメニューから選択。“ファイル”メニューからiEPGサイトを開いて番組表で録画アイコンをクリックすると、“EyeTV番組表”ウィンドウの“予約”画面に番組が登録される |
“EyeTV番組表”ウィンドウでは、“リピート予約”(毎週予約)も設定できる。注目は“iPod”という設定項目で、これを有効にしておけば番組の録画完了後、iPod用ムービーの作成とiTunesへのファイルを登録を自動で実行してくれる。
特定の番組をリピート録画してiPodに転送というルーチンを自動化できるのは、出先や空いた時間にiPodで気軽にビデオを楽しみたいという人にとって魅力的な要素だろう。もちろん、録画後に手動でiPod用に書き出すということも可能だ。
iPod用ムービーのファイル形式は、環境設定の“一般”タブでH.264かMPEG-4を指定できる。先のMacBook-2GHzを使ってiPod用ムービーを作成したところ、下表のような仕様のムービーが書き出された。また、5分のテレビ番組の変換にかかった時間は、H.264では5分18秒、MPEG-4では8分38秒と、どちらも実時間以上を要している。なお、各ムービーの仕様と書き出し時間は、ムービーの元ファイルや使用するMacによって異なることがあるため、参考値としてとらえてほしい。
EyeTVで作成したiPod用ムービーの仕様
| ファイル形式 |
H.264 |
MPEG-4 |
| 画面解像度 |
320×240ドット |
544×408ドット |
| 総合ビットレート |
835kbps |
1615kbps |
| 音声ビットレート |
128kbps |
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EyeTV 2では、iPod以外にも“ファイル”メニューから書き出しを指示することで、『プレイステーション・ポータブル(PSP)』用ムービーなどを作成することが可能だ。また、メイン画面のツールバーにある“Toast”アイコンをクリックすることで、ソニック・ソルーションズ(株)のCD/DVD作成ソフト『Toast 7 Titanium』(別売、店頭販売価格は1万4000円前後)が起動し、録画したビデオをDVDビデオ化できる。
そのほか、EyeTV 2にはイン点/アウト点指定での簡易なカット編集機能も用意されており、必要ならばCMカット程度の編集はさっとこなせる。シンプル志向ではあるが、極端に低機能というわけではない。
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CMカットや場面抜き出し程度の編集なら、別のソフトを使わずにEyeTV 2で対応できる(註:キャプチャー画像にはモザイク処理を施しています) |
“小さい・安い・使いやすい”がウリ
ひと通りチェックしてみたが、とにかく導入も使用も手軽という点で期待通りの製品であった。小さい・安い・使いやすいの三拍子が揃っており、初めてキャプチャー機器を買うユーザーにもおすすめしやすい。“ながら見”でウェブブラウズするといった用途にはもってこいだろう。
一方、録画時のビットレートを細かく設定することができない、画質改善回路を備えていないといった点は、画質にこだわるヘビーユーザーにとっては物足りないはず。標準/高画質で録画する場合は高性能なCPUを備えたMacが必要なこともあって、別のキャプチャー機器を選んだほうが目的に合う。
とはいえ製品の方向性は明確なので、ユーザーとしてもそれを理解した上で選択すれば、十分以上に満足できる製品だ。
(高橋 敦、編集部)
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