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賛否両論!? 識者が語る『Aperture 1.5』の気になるところ

Printable Version 2006年10月02日

パッケージ写真
『Aperture 1.5』

米アップルコンピュータ社が現地時間の9月26日に発表した、プロ向け写真管理ソフト『Aperture 1.5』。9月30日には、従来ユーザーを対象とした無償アップデーターの提供も始まっている。

最新版では20を超える新機能が追加されたが、カメラ分野に詳しいユーザーは新Apertureをどう見ているのだろうか? クリエイティブディレクターで写真家の諫山研一氏と、成蹊大学法学部助教授で写真家の塩澤一洋氏にコメントをいただいた。



諫山氏「このまま方向性を見失わないか心配」

一番気になるのは、Mac OS Xのグラフィックエンジン“Core Image”に頼っていたRAW現像の品質がどの程度よくなったのかということ。ApertureのRAW現像の品質はお世辞にもいいとは言えず、個人的にこの部分が改善されているのなら、もう一度使用を検討してもいいと考えている。

Macのすべてのラインアップで利用可能になった点や、アップグレードが無料で提供されることは評価したいが、プロ用のアプリケーションが、コンシューマー用の『iWork '06』や『iLife '06』と連携する必要性がどこにあるのかわたしには理解できない。このまま方向性を見失って中途半端な位置づけのソフトウェアにならないかと心配である。

Adobe Photoshop Lightroom』を始め、強力なライバルが登場している中、この価格と機能でどこまで対抗できるか。今後、Apertureが生き残るためのポイントはそこにあるような気がする。

諫山研一
写真家、クリエイティブ・ディレクター。広告代理店、出版社を経て独立の後、異業種フリーランス集団の(有)パムリンクに参加。本業の写真やディレクションはもちろんのこと、Mac系ソフトウェアの開発などにも関わるマルチプレイヤー。ノートブック環境では、米アドビ システムズ社の『Adobe Photoshop Lightroom』のベータ版を使う。



塩澤氏「 “Aperture on MacBook” が正規のシステムに」

Apertureが『MacBook』で使える!! これがバージョン1.5のアップデートで一番うれしいところ。いままでも使えなくはなかったけれど、起動するたびに「推奨環境ではないけれどもそれでも使いますか?」とのアラートが出ていた。なにか隠れてこそこそ使っているような気持ちにさせられたものだ。

バージョン1.5で盛り込まれる機能は魅力的なものばかりだが、2点だけ言及しよう。1つ目はライブラリ。Apertureのライブラリ以外の場所に写真のファイルを保存したまま、それをApertureで扱うことができるようになったのだ。

バージョン1.1.2では、作業の前に、すべての写真ファイルをAperture専用のライブラリに読み込む必要があった。しかし、この環境ではApertureのライブラリが肥大化してくるにつれて『PowerBook G4』や『MacBook Pro』の内蔵HDDには保存しきれず、結局ノート型のMacでApertureを使うことをあきらめざるを得なかった。

でもこれからは違う。RAWなど写真の“原版”にあたる大きいファイルは、余裕のある外付けHDDに保存しておき、ライブラリだけを持ち歩けるのだ。出先で作業をしたり、膨大なライブラリを人に見せたりする用途に最適だ。さらに『iPhoto』のライブラリを参照してApertureで使うこともできる。iPhotoとApertureとの併用が格段に便利になる。

2つ目はルーペ。アップルが誇る360度スクロール付きマウス『Mighty Mouse』を併用すると、ルーペの使い心地が抜群だ。バージョン1.1.2ではMighty Mouseのスクロールボタンを回しても、次々と写真が切り替わるだけだった。一方、バージョン1.5ではルーペの動きをポインタから切り離すことができ、その状態でスクロールボタンを回せば、ルーペの中の表示倍率を100〜1600%までスムーズに変化させることができるのだ。ハードウェアとソフトウェアの絶妙なコンビネーションでユーザーを魅了する、アップルならではの操作性である。

塩澤一洋
スタンフォード・ロースクール・インターネット社会センター客員フェロー。成蹊大学法学部助教授。東京大学先端科学技術研究センター特任助教授。政策研究大学院大学客員教授。専門は民法と著作権法。月刊アスキー、MacPeopleに連載執筆。1988年から研究/教育にMacを利用。1993年から写真家としても活躍。2001年から撮影をすべてデジタルに移行。Apertureは2005年のリリース直後から愛用している。Blog“shiology”で、撮影した写真の一部を公開している。



(編集部 広田稔)





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