【遠藤 諭の快適iPod life(Vol.4)】『Griffin iTalk』―― ボイスメモとしての素質は? 録音時間は? バッテリ駆動時間は?
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2005年4月19日
私の生涯購入ボイスメモ台数は?
iPodの魅力は拡張性で一枚上を行けるところにある。
米国のiTunes Music Storeをよく見てみると「Audiobooks」というのがあって、本の朗読が結構入っているのだ。私は、アーチストが「Bill Gates」のアルバム「Business at the Speed of Thought」(日本版『思考スピードの経営』」)なんかをダウンロードしたのだが……。これは、たまたま朗読を曲として売っているだけだけど、ひょっとしたら電子出版のほうに行く可能性だってある。
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スタートレックの“コミュニケーター風のボイスメモ”とか、冷蔵庫のドアに貼る“パパ、ママ、お兄さん、お嬢さんの顔をしたボイスメモ”、ボイスレコーダー付き腕時計……いろいろと買ってきた私。今回手にしているのは『Griffin iTalk』 |
さて、そんなiPodの拡張メニュー“エクストラ”の定番といえば、まずは“ボイスレコーダー”である。
ボイスレコーダーの本場は何といっても米国だ。
なぜそんなにボイスメモの人気があるのかと思ったら、どうも駐車場で自分が停めた車の位置が分からなくなってしまうらしい(もっとも、これには駐車場の広さが日本とは違うのだよという説もあるが)。
私は、スタートレックの“コミュニケーター風のボイスメモ”とか、冷蔵庫のドアに貼る“パパ、ママ、お兄さん、お嬢さんの顔をしたボイスメモ”(これは、キヤノン製でしたね)とか、サンヨーがまだ一般向けに販売してなかった時代の長時間ICレコーダーとか、ボイスレコーダー付き腕時計とか、まあ、いろいろと買ってきた。たぶん、生涯ボイスレコーダー購入台数では、日本でも5位以内には確実に入るのではないかと思う。たぶん、40個くらいでなのだが……。
というわけで、今回、iPod用のボイスレコーダー「Griffin iTalk」がいいよと聞いて、取り寄せて使ってみたのだった。
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『Griffin iTalk』。フォーカルポイントコンピュータ(株)のオンラインショップや“Apple Store”でも販売されている |
さっそく、iTalkの箱を開けると、簡単な説明書と本体が入っているだけ。実際、使い方はというと、iPod上部にミニピンとベロ状の接点を挿すだけなのだ。
私は、第三世代のiPodに装着したのだが、対応iPodは、第三、第四世代のiPodとのこと。液晶部分を見ると“00:00:00”とデカデカと表示されて、なんだかストップウォッチみたいである(実際、ハードディスクの空きがタップリあるなら録音することで時間を計測することができそうだ)。ここで“録音”を押せば、即、録音開始となる。iTalkをiPodの上部に装着して、実に1秒以下! きわめて実用度が高い。
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液晶部分を見ると“00:00:00”とデカデカと表示されて、なんだかストップウォッチみたいである |
ちなみに、録音するときだけiTalkを取り付けてもいいが“ふだんからiTalkをiPodに挿しっぱ”(餅月あんこ風表現)でもよい。iTalk上部のステレオミニピンにヘッドホンを接続すれば、ふつう音楽が聴ける。
iPodの本領、クルクルで再生位置自由自在
iTalkだが、録音を開始すると、例の“00:00:00”が1秒ずつカウントアップしていく。“一時停止”と“再開”のトグル。そして“停止と保存”を、メニュー選択か、それぞれ“再生”と“MENU”のボタンでできる。実にシンプル! 急いでいるときでも混乱することはないだろう。
停止すると録音データがちょうど音楽ファイルのような形で一覧される。録音データを再生したら、iPodならではクルクルの操作性が威力を発揮する。ふだん音楽を聴いているときと同じように、再生中、普通にクルクルを回せばボリュームのアップ/ダウン、一度センターを押してからクルクルを回すと、録音データの中を目分量で前後でできる(もちろん、早送り、早戻しも可能だが)。昨今のICレコーダーのように機能満載ではないが、それにしても、この単純なクルクルの勝手のよさは気持ちいい。
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使い方はというと、iPod上部にミニピンとベロ状の接点を挿すだけ |
iTalkには、ミニスピーカーとピンジャックが付いている。上部のピンジャックは、先ほど説明のステレオヘッドホンを装着したり、マイクを装着したりする。手持ちのマイクを試してみたが、ボイスメモ程度なら内蔵マイクで十分のように思えた(利用目的しだい。第四世代では制限があるようなので、詳しくは、サイトなどで確認のこと)。
ミニスピーカーが付いているのは、この種のレコーダーを使う上では、かなり重要なポイントとなる。実用上は、これがあるとないとでは大違いなのである。
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上部のピンジャックはステレオヘッドホンを装着したり、マイクを装着したりする |
ちなみに、録音スペックは、WAV形式で、サンプルレートが8kHz、モノラル、サンプルサイズは16bit、ビットレートが128Kbpsとなっている。MDなどほかのオーディオ機器から直入力したり、マイクの近くで録音したりすると、音が割れてしまいがちである。本来のボイスメモ的な使い方ではまるで問題はない範囲ではあるが。
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iTunesにボイスメモを取り込んだところ |
ボイスメモを録音した後で、iTunesに同期すると「このiPodにはボイスメモが入っています。ボイスメモを音楽ライブラリに追加しますか?」というメッセージが出て、“はい”を選ぶと、録音データは“ボイスメモ”というプレイリストに入る。
ちょっと面白い使い方では、iTalkをアラームのスピーカーとして使うこともきる。さっそく使ってみていたのだが、もちろん、iPodの電源を切っておいても(再生ボタン長押し)シラと電源が入る感じは、iPodに新たないとおしさを感じさせるものがある。ニミスピーカーでモノラルながら不快感のあるような音にはならず、なかなかである。
iPodで目覚めたら、そのまま録音しておいた「今日は、まず南青山のA社に行って打ち合わせ、サンプルを忘れずに持っていくように!」なんてボイスメモを聞いて出かけるのもよいかもしれない(ちょっとヘン?)。
iPodは、ボイスレコーダー専用機たりうるのか?
iTalkには、ボイスレコーダーの専用機のように、フォルダに分けて録音したり、マークしてリピートするといった機能はない。録音データが増えてくると、どれがどれか分からなくなってくる。録音するたびに「〜氏のインタビュー」など冒頭に録音しておくことをお勧めする。
しかし、iPodのHDDへの保存はなかなか頼もしい。最近は、ボイスレコーダーの専用機もHDD搭載のものが出てきているが、ハードディスクの容量がまるで違うからだ。試しに録音したデータをiTunesで同期してみてWAVファイルの大きさを確認してみた。
音:30分のオフィスの音
ファイルサイズ:27.5MB
音:0秒(録音開始前に停止)
ファイルサイズ:44バイト
30分のほうは、正確には“30分01秒”で停止したつもりだったが、iTunesのプロパティで確認すると“30:01.872”と非常に細かな時間になっている。私の15GBのiPodは、今日時点で3GBほどの空きがあるので、そのままで約56時間の保存が可能なはず。15GBがまるまるあいているなら、まるまる10日以上の録音が可能ということになる。iPodに電源を繋いだまま1週間分の録音をして、WAVファイルのエディタ(波形が見える奴)で、要所だけ聴いていくようなことも可能なはずだ。めったに鳴かない動物の声を録音するような使い方にはお勧めといえる。
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プロパティで確認 |
ボイスメモならPDAを使って録音している人が、私のまわりにも何人かいる。
はたして、ボイスレコーダーの専用機を持つ必要があるのか? PDAやiPodなどの音楽プレイヤーで録音するのがいいのか? ちょっと迷っている人もいるでしょう。そこで、気になるのは、やはりバッテリの消費。これからインタビューに行くときに、それを気にして音楽を聴くのはやめておこうか、というのはあまり楽しくない。参考までに、バッテリの消費時間の簡単なベンチをやってみた。
ハード:第三世代iPod(通常使用)
初期状態:電源フル表示
テスト:オフィスの音を録音
電源表示半分:約1.5時間
シャットダウン:3時間42分01秒
くれぐれも、これは私が日常的に使っている第三世代iPodでのテストであることをお断りしておく。新品状態でバッテリ駆動時間は8時間とされていたものだが、それなりにバッテリが劣化しているものと思われる。バッテリ駆動時間が12時間とされる第四世代なら5〜6時間の録音はできるはずである。したがって、インタビューなどに出かける前に電車の中で1時間や2時間聴いたとしても、フル充電状態からならインタビューなどの実用的な録音時間は確保されるといえそうだ。当然のことながらシャットダウンしても、電源を接続すればきちんとファイルは保存されていた。
ところで、韓国では語学学習に音楽プレイヤーを使う人が結構多いそうだ。プレイリストを上手に使うと、少ないメモリでリピート学習のような形で聴けるなど便利な点が多いかららしい。音楽プレイヤーを語学学習専用に使う人がいるなら、ボイスレコーダー専用機として使うという発想もあるだろう。とくに、iPodを何台も買ってしまっている人にはよいでしょう。ただし、バッテリ駆動時間は、旧モデルでは決して長くないので、サードパーティ製の外付けバッテリか、なんらかの電源接続が必要かもしれない。
最後に、どうしても主観的ではあるが、音について。内蔵マイクの特性なのだと思うが、空調などの音をかなり拾ってしまう。しかし、いわゆる会議や個人用のメモに使うなら、まずまずではないかと思う。PDAのボイスレコーダーソフトでは、サンプリングレートなどやたら細かな設定があったり、専用のボイスレコーダーにもいろんな切り替えがあるが、実用上は、このシンプルさもいいからだ。録音データをiTunesで再生してみると分かるのだが、音自体は録音スペックどおりそのあたりをカバーしうるクリアな音で録れているからだ。
普段音楽で“ちょい録”にもよし、何回にも分けて録音を入れたまま足していくのにもよし、iPod+iTalkは、スペック的にはボイスレコーダー専用機というわけにはいかないが、バックアップ的に持っていてもよさそうな逸品といえる。
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