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【あおきゆかの台湾まっくのうち弁当(第1回)】
「こんな私で良いのでしょうか?」
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2005年6月9日
「“Tiger”が4月29日に発売になりましたね。そのことにカラメタ事から書けます?」
昼ご飯にぶよぶよのパスタ食べて帰って来たら、こんなメールが届いてた。
主語が、タイガー。
修飾語が見当たらないのです。
何ですかね? タイガーって……。
まほうびん?
私は、意味はなく台湾に住んでいます。
ちょうどiPod shuffuleが発売されたばかりの頃、メル友のEさんからメールが来ました。
「台湾では、iPod shuffuleがセブンイレブンでも売っているんだって? ちょっと調べてよ」
面白いから熱心に調べていたら、いつの間にかこのメールのやり取りに、もう一人が参加していました。それがASCII24のKさんでした。
Macに全然詳しくない私。
一生懸命調べて来る姿がケナゲだったのか、はたまた台湾のMac事情に興味が湧いたのか、とにかくこの調査をきっかけに台湾とMacについて、ここで書く事になったのです。
で、私とMacと言うと、付き合いは10年近く。
だけどちっとも詳しくない。説明書とか大ッキライ。
触ったら苦しくなるし、読んだら多分、死ぬ。
そんな私で良いのでしょうか?
でも見栄っ張りな私は、「はい、調べてみます」と速攻メールを返信し、事の流れからしてMacの何かだと高を括って、昼寝をする事にしました。
無知のクセにいい加減な特質も兼ね備え、でも、小心者でもあるので沢山寝れず、昼寝はサックリ10分で終了。真面目に指令に取りかかりましたが、ネットで検索するにしても「どらごん」と入力してました。どうやらさっきのパスタのせいで、頭もぶよぶよになったみたい。へへへ。
もう一回。
こんな私で良いのでしょうか?
さて、ネットの検索により例の物がMacと関連していることは、確認しました。
では、Mac店に市場調査です。ウチの近所には、2店のMac専門店があります。
どこでも、こんなではありません。ウチは台湾では珍しい環境なんです。
自慢じゃないけど私の住んでいる所は、
右に歩くと霞ヶ関(台湾の)
左に歩くと代官山(台湾の)
があって、地下鉄入り口までは2秒で到着という立地ですの。おほほほほ、アシカラズ。
で、それら専門店は、
一つはMac店らしい素敵な店で、
一つはMacらしくない素敵じゃない店です。
後者の「変な方」がウチに近いので、私はたいてい変な店に行きます。
その店の変な具合は、後ほどそのウチじんわりとご紹介。
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変なMac店の店長(右)と私(左)。店長の手には“Tiger”を売って儲けた金が… |
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でも店長のMacはOS 9…… |
さぁさぁ、指令の台湾の“Tiger”について書きましょう。
変な店では、“Tiger”発売3日前で十数個の予約を受けていました。10個でも「たぁくさ〜ん注文がある」と店長おっしゃいます。
理由は、
1)店がチッコイこと。
2)台湾がチッコイこと。
だから「たぁくさぁ〜ん」と胸を張るんです。
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常連客のひとり |
私は質問はここまでにして、一旦出直して、いつも店に集う常連客達に質問をする事にしました。
理由は、
1)店長は髪の毛切りに行くって言うんで、昼の1時なのに店をいったん閉めると、追い出されたから。
2)大体店長不在で店は開いていて、常連客たちが勝手に店を切り盛りしているから。
3)店長より常連客の方が、少しマトモでMacに詳しいから。
ということで質問再開。
「“Tiger”に関する問い合わせは、うん、結構あるよ。」なんて奴は客の分際でホザキました。よく聞かれるのは、「今、新しいのを一台買うと、OSは“Tiger”か?」という質問だそうで、「そうそう、ソレってどうなの?」と聞くと、「分らない。」とマッハで答える。その辺は店長も調べる気は無いらしい。でもこの店、売り上げが良いと聞きます。なんでも、台湾のMac専門店では唯一の独自のHPを持ち、アフターケアに熱心なんだそう。なら、客の質問にキチンと対応しても良かろうが、ビフォーケアの概念は稀薄みたい。台湾人は身内になるとやたら親切だけど、購入前の客はまだ身内と見なされないみたい。
「ウチの糞は、自分の畑に蒔く」って言う中国語のことわざが脳裏に揺らめいちゃう。
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台湾の普及率の話をするうちに、この客はだんだん悲しそうな表情に |
で、やっぱり気になる、台湾でMacの普及率に話は及びました。
Macユーザーの少ない原因は、言葉の壁。
多くのソフトは、台湾で使われている繁体字の説明書や解説本がありません。中国大陸で使われている簡体字のはあるにはあるけど、英語の方が手に入りやすく、種類も豊富なんだそうです。
「だからユーザーは、必然的に海外留学経験のある人か、英語が出来きる人が多いんだよ」と、ご自慢の様子でした。
あと一つの原因は、Macを使う職種が少ないのだそう。
映画やアニメ、デザイン方面の仕事が少ないから、需要が低いらしい。
そういや、そうだよ!日頃、真似ばっかりしてるから悪いんだ。それに考え方が現実的で、安くて使えりゃ何でもオッケー。ウチの言語学校のテキストにも「パソコンを手作りする」って章があるくらい、手作りは一般的。日本のように見た目で跳びつくより、安いが一番!って考えてるんだよね。と、ここまで書いたけど、悪口になるから、これ以上はヤメておこう。ごめんなさい、もう言いません。(多分)
さて、話の流れは先ほどの「語学堪能Macユーザー」という優越感から、だんだんおセンチになってきました。
「“Tiger”は、最近続けて出てたOSに比べると、とっても良いと思う。ネットでバンバン仕事するような職種の人たちには、すごく便利だよ。でも、台湾は、そんな職種のユーザーが少ないんだ。いや、いる事はいる。でもね、沈んでるんだ」と視線を落としました。
なに?沈んでる?
要は、アップグレードや新製品に興味がないユーザーばかり。必要不可欠な決まったソフトだけを使って仕事に支障が出なければ良く、他の知識は全くない。ボランティアで店番までしてしまう熱心な彼から言わせると、真のMacユーザーではないと言う意味らしい。数字として浮かび上がってこないってことかも。
台湾では今でもOS9を使ってる人が一番多いと、常連客の彼が言う視線の先には、未だOS9の店長のマシーン。
ここで彼は、1本の電話を受けました。どうやら修理に出したPCが、なかなか戻ってこないという苦情みたいです。でも彼の今のモードは、台湾のMac事情を憂う1ユーザー。その雰囲気を引きずって対応しています。
「ええ、ええ、お気持ちはお察しします。全て大陸(中国)に回されちゃうんですよ。私たちも、同じような経験は沢山しています。ええ、台湾でMacを使って行くという事は、本当に大変な事です。皆耐えているんですよね。」すごく穏やかな声と表情。
苦情に同情しています。へぇー、こうゆう苦情対処法があったのか。小売店は、謝らずにApple社のせいにして怒りを吸収する、陰陽の考え方。プラスのエネルギーには、マイナスで受け止めるんですよ。
なんだか忙しそうなので私は帰ることにしましたが、最後に彼は、日本は小さな島なのにソフトだってなんだって便利でいいよな、と羨ましがってました。みんな日本が大好きです。だから日本人にとっても、とても居心地が良い。私が台湾にいる理由はコレもあるかも。最近、ちょっと中国や韓国には行きにくくなっちゃってるけど、台湾はこの通り全然オッケーだし。
(あおきゆか)
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