【Macworld Expo 2006 Vol.2】スティーブ・ジョブズの基調講演をじっくり振り返る(前編)
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2006年1月11日
Macworld Conference & Expo 2006の基調講演で発表されたのは、MacBook Proだけではない。ここでは、1時間半以上にわたって行われたその発表内容を、前編・後編に分け、細かいところも順を追って紹介しよう。
米アップルコンピュータ社CEO、スティーブ・ジョブズの基調講演は、いつもApple Storeの近況報告から始まる。現在、Apple Storeの店舗数は135店舗、ホリデイシーズンの四半期(昨年10〜12月)には2600万人が来店し、売り上げは10億ドルだった。同四半期、Apple全体での売り上げは57億ドルを達成しそうだという。
続いてジョブズはiPodへと話を移した。
果たしてこのホリデイシーズンの四半期に、iPodはどれだけ売れたのか? 2004年は450万台だったが、今年はなんと1400万台を出荷したという。これによりiPodの累計出荷台数は4200万台になったが、このうち3200万台は昨年1年だけで出荷したことになる。
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iPodビジネスの驚異的な伸び率を示すグラフ。昨年秋に発表されたiPod nano以降の伸びが著しい |
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iTunes Music Storeの市場シェアも、この通り。1年間で、8億5000万曲を売り上げた |
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昨年10月からスタートしたビデオ販売も、すでに800万ダウンロードと好調に推移しているという |
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一方、iTunes Music Storeでは、昨年1年で8億5000万曲を販売した。来年以降は10億曲以上を売ることが必至だという。
iTunesのマーケットシェアは83パーセントで、10月12日にサービスが始まって以来、動画コンテンツも800万本売れているそうだ。
ジョブズは従来のテレビドラマなどのコンテンツに加え、abc SPORTSのスポーツ放送、人気コメディーショーの『Saturday Night Live』の発売なども発表した。
さらにiPod用のアクセサリーとしてFMラジオチューナー内蔵のリモコン、"Radio Remote"が発表された。価格は49ドル(5800円)で今日から出荷開始となる。
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Radio Remoteを装着すると、iPodの画面でラジオのチューニングなどができるようになる。リモコン部はクリップ式 |
iPod関連の話題としては、米クライスラー社がDodgeやJeepといった車種の2006年モデル300万台にiPod接続機能を用意するとも伝えられた。これにより2006年、米国市場で出荷される車の40パーセントはiPod接続対応となる。ジョブズは最後にJAZZトランぺッター、ウィントン・マルサリスが演奏する新しいiPodのTV CMを紹介した。
これだけの発表でもかなり盛りだくさんだが、ジョブズがここまでに費やしたのはわずか15分。ジョブズはここで一息つき、「これはMacworld EXPOだ。講演の残りの時間はすべてMacの話をすることにしよう」と語り、場内からは喝采があがった。
Macの話、といっても何も本体の話ばかりではない。まずは日本では未発売のプロ用ソフト、"Aperture"の紹介から開始。ジョブズは米アップル社のWebサイトにも掲載されているプロモーション用ビデオなどを使ってApertureの主な機能を紹介し、これこそがプロカメラマンが待ち望んでいたソフトであることを強調した。
続いて、スクリ−ンにはDashboardの黒いアイコンが映し出された。Dashboardといえば、画面上に簡単な機能を提供する、ウィジェットと呼ばれる小アプリケーションを表示するMac OS X v10.4の新機能だ。ジョブズはこのDashboardのウィジェットが他社製のものも含め1500個にまで増えた、と発表。これを祝って、アップルでもいくつか新しいウィジェットの提供を開始するという。
用意されるウィジェットは、Google検索、改訂されたアドレスブック、スキーのゲレンデ情報、新しいカレンダーと電話帳、ESPN提供のスポーツニュースと、全部で6つだ。
アップルは、これらのウィジェットが含まれたMac OS X Tiger v10.4.4をリリースした。今日からソフトウェアアップデート経由で更新できる。
次に紹介されたのはiLife '06だ。これは今日から発売開始となる。ジョブズは講演のかなりの時間を、このiLife '06の紹介に費やした。
まずはiPhotoだ。おもな改良点は、動作速度の大幅なアップ、管理可能な画像が25万枚に増加、写真を画面いっぱいに広げて補正できるフルスクリーン編集、もっともよく使われるエフェクトをワンクリックで選べる「One-click effects」、解像度が上がった新しいブック機能と、カレンダーやカードの印刷、そしてPhotocasting、の以上6つだ。
Photocastingとは、お気に入りの写真アルバムを、.Mac(ドットマック)経由で配信できるというサービス。まさに写真版のPodcastingだ。配信するには、アップル社の有料サービス、.Macの会員である必要があるが、購読する側は任意のRSSリーダーを使うことができる。いったん購読を開始すれば、配信元の変更が自動的に反映される。
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6つの新機能のうち、ひときわ注目を浴びたのがPhotocastingだ。配信するには、.Mac会員である必要があるが、一連のデモでは、追加や変更点が即座に反映されるなど、非常にスムーズに画像アルバムが配信されていた。カレンダーやカードなどを作る機能も加わり、デジタル画像を楽しむ選択肢がさらに増えた |
ブックに加えて追加されたカレンダー作成機能では、日付部分などにも写真を入れられるなど、かなり凝ったものを作ることができる。同様に、グリーティングカードもメニューに追加された。
iMovieも大幅に機能強化された。最大の目玉は「Animated Theme」という機能で、iDVDのテーマのように、プロのデザイナーが用意したアニメーション画面に、自分で撮影したビデオ/静止画映像を合成することができる。
これに加えてリアルタイムの効果/タイトル、新しいオーディオツール/サウンドエフェクトが使えるようになり、一度に複数のプロジェクトをオープンできるようになった。またiPodビデオへの書き出し機能も用意され、Video Podcastを作成する機能も用意された。
iDVDはワイドスクリーン対応や新しいテーマの追加、スライドショー機能やマップビューの改善などが施されたが、Magic iDVDという機能にたいする聴衆の反応が大きかった。これを使えば、わざわざiMovieを通さなくても、ビデオクリップや関連する静止画を登録しておくだけで、自動的にDVDが作成される。またサードパーティー製のDVDライターに対応したのも注目すべきポイントだろう。
Garage Bandでは、「Podcast Studio」などPodcast支援のための新機能が数多く追加されている。Podcast artworkトラックという機能を使えばPodcastにカバーアートを表示させることもできる。200以上の新しいサウンドエフェクトや100以上のジングル、「ダックリング」という、音声の急激な変化を緩和してくれる機能もPodcastを意識したものだ。
さらにMacの内蔵マイクで録音した声でも、それなりの音質に補正してくれる「スピーチエンハンサー」も用意され、iChatを使って行ったインタビューを録音し、Podcast配信する機能も用意された。スティーブ・ジョブズは、仮想のアップル噂情報を流すPodcastを編集するデモを見せ、大いに観衆を沸かせていた。
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ムービー編集にもテーマが用意され、アニメーションに合わせてムービーを配置するなど、ハイクオリティーなテンプレートを利用できる |
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GarageBandで、「次期iPodは超巨大」という噂を流すPodcastingを編集するジョブズ。観衆のウケもよく、かなり気に入っていたようだ |
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iLifeといえば、これら4つにiTunesを加えた計5アプリケーションだったが、今回、これに加わる6つ目の"iWeb"が発表された。
iWebはBlogやPodcast、PhotocastといったあらゆるWebページをドラッグ&ドロップだけの簡単な操作で作ることができる。
アップル製のデザインテンプレート、iLifeの音楽、写真、動画を簡単に呼び出せるiLife Media Browser、オンラインフォトアルバムの作成機能(AJAXを使って、前後の写真を簡単に呼び出せる)、BlogやPodcast配信のページをつくる機能、そして「Publish」と書かれたボタンをクリックするだけで、用意したコンテンツを「.Mac」経由で簡単にWeb出版できる「One-click Publishing」機能などが用意されている。
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簡単で美しいウェブページを作ることができる、とiWebの特徴をプレゼンするジョブズ |
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豊富なテンプレートが用意されており、Blog的なページを作るのも手間がかからない |
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iPhotoなどiLifeアプリとの連携はじつにスムーズ。すぐにデータを呼び出せる |
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アップルはこのiLife '06のパッケージを一新したのに合わせて、同ツールをさらに便利にする".mac"のパッケージも刷新した。ジョブズは現在、.macの会員が100万人であることを明かしつつ、続いて基調講演のスライド表示にも使っているiWork '06を簡単に紹介。3Dのグラフ機能の追加/画像編集機能の強化/反射効果の追加/多角形の描画やマスキング機能/計算機能付きの表組機能/新しいテーマやテンプレートの追加、などが新機能として挙げられた。これらの改良点はKeynoteとPagesのどちらでも共通しているということだ。
iLife '06やiWorkの価格は8800円。同じ家庭内にある5台までのパソコンにインストールできるファミリーパック(1万800円)もある。
アップルは同時にWorld MusicをフィーチャーしたJam Pack(Garage Band用音源集)も発表した(1万800円)。
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