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【bossa mac web】Apple Store そのデザインの進化。

Printable Version MacPeopleMacPeople 2006年10月号
2006年6月27日


2001年に誕生したアップル直営店“Apple Store”は、今や世界4カ国に約150店舗以上を展開し、毎週150万人ものユーザーを集める一大ビジネスに成長している。

「パソコンの直営店は成功しない」と言われた状況で同店を成功に導いたのは、それまでのアップルの革命的なデザインと細部にわたる徹底したこだわりがあってのことだろう。ここではApple Storeにおけるデザイン進化の軌跡を紹介したい。

Apple Store shibuya

5年の歳月で何が変わったか Apple Storeの歴史

Apple Storeは、その外観から内装、商品のディスプレーに至るまで、それまでのコンピューターショップとは一線を画す作りを試みている。Mac本体にも通じるその“アップルらしさ”は、2001年、米国にある2つのショッピングモールで店舗ビジネスへの第一歩を踏み出したときから、脈々と受け継がれる精神だ。

アップルはそれまで直営店を経営したことがなかったにも関わらず、このプロトタイプ店で、店内のシンメトリー(対称性)を持たせたり、ガラスのパーティションで店内を区切ったりと、今日の店舗デザインに通じる要素を見い出している。その後、ショッピングモール内からストリートに進出し、路面店として続々と数を増やしたあとでも、このプロトタイプ店が基礎となっている。

なお、初期の店舗デザインは、日本でもなじみのあるアパレル店“THE GAP”の影響が色濃く出ているが、これはアップルの取締役に、元同社CEOのミッキー・ドレクスラー氏が就任していたという事情も関係していると思われる。



各店舗

店舗デザインに転機が訪れたのは、2002年に完成したニューヨーク・SOHO店だ。初のフラグシップ(旗艦)店にあたるこの店舗では、1階と2階をつなぐ昇降機にガラスの階段を採用。以降、この階段は大型店舗のシンボルとして定着している。

店舗の1階はMac本体を中心にしたソリューションゾーンに、2階以上はMacユーザー向けのスペースに割り当てるといった階層間の切り分けもSOHO店で生まれた。

同じ年にオープンした、シカゴ・North Michigan Avenue店では、シルバーカラーの外観で、入口の頭上にリンゴマークをあしらうという外装の基礎が確立された。

ちなみにSOHO店やNorth Michigan Avenue店の設計を担当したのは、ビル・ゲイツ邸やピクサー本社ビルも手がけた米ボリン・シウィンスキー・ジャクソン事務所(Bohlin Cywinski Jackson)で、この件でいくつかの建築賞を受賞した。



その後もApple Storeは、フラグシップ店を増やすたびに内装デザインを進化させ、ときにはそれを旧店舗にも反映させている。例えば初期の店舗の床はメープル材を使っていたが、現在では“ピエトラ・セレーナ”という石材のタイルに切り替えている。

多くの2階建て店舗では、ガラスの階段の頭上に外光を取り入れるガラスの天井を用意しているが、2フロア構成のロンドン・Regent Street店では上層階に別のテナントがあるため、この天井の設置が不可能だった。

そこで考えだされたのは、自然光を模した照明“Light Ceiling”だ。米国の彫刻家であるジェームス・カーペンター氏と、英国の建築家であるリューク・ローウィング氏のコラボレーションから生まれた作品で、この照明は色を青に変えて名古屋・Sakae店にも受け継がれている。



(写真上) カリフォルニア・Palo Alto
初期Apple Storeの典型。店舗正面は、アップルロゴをあしらった黒いフレームで、左右のショーウィンドウと入り口のガラスドアを3分割している。このフレームが店内にある2列の陳列棚を隠すため、外から見た際に店舗が広く見える。ガラスドアの中央正面にはシアターのスクリーンを配置。通行人の興味を引く仕掛けとなっている

(写真中央) ニューヨーク・SOHO
1920年代に建てられたネオクラシカル調郵便局ビルの外装を生かした店舗。当初、階段の素材にはメタルを用いるはずだったが、スティーブ・ジョブズの提案でガラスに変更。英デュハースト・マクファーレン事務所(Dewhurst Macfarlane and Partners)ならメタル補強のないガラスのステップが作れることが明らかになり、他社ではありえないほど高価ながらこれを採用した

(写真下)名古屋・Sakae
SOHO店が採用した最初のガラスの階段は、金属補強がない代わりにガラスの補強壁が階下を覆い、完全なデッドスペースになっていた。その後、階段の製造技術は段階的進化を重ね、名古屋・Sakae店では、補強壁なしで宙に浮く(接地しない)ガラスの階段が完成。階下に小さなイベントスペースを作り出している




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